先日、私がお世話になった教授の退官記念の最終講義があり、時節柄オンラインということで、私も講義を聞かせていただきました。 ニホンザルやゴリラなど類人猿の動物の親子関係などを中心に数多くの研究をされた方でした。
昨日の最終講義でも、四肢に障害のある子どもを育てる母親ザルを観察したときの話、ゴリラが棒を投げてイチジクの実を取ったのを見て感激した話(それまで、チンパンジーが道具を使うことは知られていたが、ゴリラでははじめてだった)、サルも年をとったら老眼になる話などを写真や動画を交えながらとても楽しそうに話してくれました。
私が一番印象に残ったのは、ニホンザルで母親が2年続けて子どもを産んだときに、下の子の世話で忙しく、上の子の面倒を見なくなったら、おばあちゃんが上の子の面倒を見るようになった、という話です。サルのこととはいいながら、人間と重ねて考えてしまうなあ、と思いながら聞いていました。
教授の最後の質問が
「人にできてサルにできないことは?」でした?
みなさまはなんだと思われますか?
それは、「褒めること」
ありがとう、と感謝を伝えたり、うなずいたりするのも褒めること。赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲んでニッコリ微笑むのも褒めることにあたるのだそう。
「褒める」ことができる霊長類は人間だけだそうです。高度なコミュニケーションは人間を人間らしくしているゆえんなんですね。